今昔物語集

今昔物語は元は説話(経典とかの教えの例え話)で、
全ての話が「今は昔」で始まるので今昔物語と呼ばれるようです
源氏物語などと異なるのは、どちらかといえば低い位の人たちが中心な事ですかね。
いくつか例をあげてみます

  1. 死霊と契りを交わした男

今は昔身分の低い侍がいた。
ある日知り合いがとある国の守に任命され、挨拶にいく。
そこで守に「私の国にこないか?」と誘われ侍は付き添う事にした。
侍には長年通いなれた妻(当時は通い婚)がおり、深く愛し合っていたが、どう魔がさしたのか遠国に旅立つ時不意にこの妻と別れ、お金持ちの女を妻にし、任国に下った。
その国で不自由なく暮らしているうちに男は昔の妻が恋しくなり国の守の任期の終わりと共に帰途についた
急いで元の妻の家にいったが、そこは荒れ放題
しかし奥には妻が待っており、侍は長年の事を夜明け前まで語り合った後眠りについた
朝になり男がおきるととなりには死人となった妻が
隣の家に行くと女はとっくに亡くなり葬る人もいないのでそのままになっていると聞かされる
こういう珍しい事もあるものだ(それでいいのかよw

  1. 漂着した巨人の死体

今は昔常陸の国(茨城のあたり)
4月の海が大荒れに荒れた晩某の浜に五丈(15m)もある大きな死人が流れ着いた。
死人は頭と右手、左足がなく、人々は鰐(サメ)に食われたのだろうと噂した。
国中の人が見物に訪れる中、別の国からは死人の検分に訪れたり、名僧などは阿修羅女(海の中に住むといわれた鬼女)ではないかと言われた。
常陸の守はお上に申し上げようとしたが、調査やもてなしなどをすると大変だという部下の進言を受けて取りやめた。
一方この国に使える某と言われる武士は
「もしもこんな巨人が攻めてきたらどうやって防ぐのか?
 はたして矢が立つものか試してみよう」
試しに放った矢は刺さり、それを聞いた人達は用心のいいことだとほめた。
この死人は日が経つにつれて腐り、十町二十町の間は人も住めず逃げ出した
よほど臭かったのであろう

巻31、全1060話もあるみたいです(−x−;;
ほんの一部分ですねぇ